カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップに欠かせないペルソナ設定と作成手順

2020-03-18 11:00

カスタマージャーニ-マップは顧客の経験(行動や感情)を時間の流れに沿って視覚化したものです。

そして、そのカスタマージャーニーマップ作成において必須なのが、ペルソナの設定です。

カスタマージャーニーマップ作成において、ペルソナがブレると精度が低いマップになってしまいます。

本記事では、ペルソナの定義から、カスタマージャーニーマップ作成におけるペルソナの重要性を紹介します。

カスタマージャーニーマップの基本的な考え方

現在の顧客行動や思考は多様化しています。

1日数時間以上スマホを見ている人も多いのではないでしょうか。

その中では膨大な量の情報がインターネット上で展開され、常に情報がアップデートされていきます。

膨大な情報量の中から、顧客は商品を見極め購入の意思決定を行います。

その過程の消費者心理状況を含めて図示したものがカスタマージャーニーマップです。詳細は別コラム「カスタマージャーニーマップとは?マーケティングへの活用と3つの作成手順」を参照ください。↓

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップとは?マーケティング活用と3つの作成手順

Twitterで商品を見て、Amazonで買うといった経験がありませんか? 顧客の行動や思考が多様化・複雑化しています。カスタマージャーニーマップの作成で顧客の変化に気づきに敏感になれます。本記事では、カスタマージャーニ−マップの概要、作り方をご紹介します。

ペルソナ

ペルソナとは

ペルソナは顧客の価値観や経験を一単語にまとめた言葉です。

それを作るにはターゲットとなるある人物の生活態度や行動、その行動の理由を把握します。

また、その人の人間性を作り出した要因はなにか、現状はどうかを捉えます。

さらに、目標や努力、その時々に起こる喜怒哀楽がその人をつくっているのかを捉えます。その上で言語化します。

ペルソナとカスタマージャーニーマップの違い

ペルソナとカスタマージャーニーマップの違いはシンプルです。

ペルソナは「顧客を定義」し、カスタマージャーニーマップは「顧客の行動を定義」します。

両者は互いに補完的な役割をもっています。

ペルソナとカスタマージャーニーマップは顧客理解を促進

ペルソナは生身の人間を描き出すことに長け、カスタマージャーニーマップが描く顧客の行動をより実在する人間のようなものにしていきます。

さて、ペルソナとカスタマージャーニーマップを作成することの最大のメリットは、言わずもがな顧客理解の促進です。

メリット① 顧客理解が促進される

ペルソナは誰にどのような価値を届けているのかを表す言葉でもあります。

ペルソナが持つ1人の人間の価値観や生き方を理解する過程で、顧客の要望や、価値の優先度を知ることができます。

メリット② 社内が顧客志向へと意識が変化

ペルソナを社内で共有することで、自社サービスが顧客にどんな価値を届け、役に立っているのかを共通認識としてもつことができます。

ペルソナを共通認識としてもつことで、企画・意思決定の場でも意識されるようになります。

さらにこれが浸透することで、社内全体が顧客志向へと変化していきます。

ペルソナ作成方法

カスタマージャーニーマップを作成する際にペルソナを作成するのは必須ですが、具体的にどのように、どこまで決める必要があるのか悩みどころです。

ペルソナの作成は5つの工程で成り立っており、基本的な型が存在します。それが以下のものです。

  1. データの収集
  2. 要素の確定
  3. 骨格の確定
  4. ペルソナの作成
  5. ペルソナの検証

出典:『実践ペルソナマーケティング』 (2014) 高井紳二 p140

これらは定量データ(統計データなどの定期的に測定可能なデータ)、定性データ(インタビュー等で得られるデータ)を調査し、優先順位付けなどを行い実施します。通常は1日2日では終わるものではありません。

とはいえ、施策をスムーズに進めていくために、要点だけはつかんでおきたいところです。

そこで、フォレスター・リサーチ社(https://go.forrester.com/)のペルソナを評価するための6つの評価項目を紹介します。

ここさえ意識してペルソナの作成ができれば、ひとまずは十分だと思われます。

ペルソナを本格的にリソースを割いて調査する際は、別途精緻な作業が必要です。

  1. ペルソナが実在人物のように見えること
    →生活の全体像の描写や、感情移入しやすく記憶に残りやすいかがポイント
  2. 魅力的な語り口であること
    →習慣や属性を伝える出来事や行動が日常の風景として描かれているかがポイント
  3. 重要な属性と高いレベルのゴールを呼び起こすものであること
    →一貫性のある物語か、文字や図で適切に表現されているかがポイント
  4. 商品サービスのデザインの意思決定を可能にすることに焦点を当てていること
    →企業のニーズではなく、顧客のニーズを反映しているかがポイント
  5. 使い勝手がよいこと
    →複数部門に関するものでもわかりやすいかがポイント
  6. 質の高い仕上がりになっていること
    →誤字脱字やずさんなレイアウトになっていないかがポイント

出典:『実践ペルソナマーケティング』 (2014) 高井紳二 p44-45

ペルソナを意識したカスタマージャーニーマップの作成

ペルソナが作成された前提で、カスタマージャーニ-マップ作成方法について簡単にご紹介します。

カスタマージャーニ-についての作り方の詳細はこちらからご覧ください。

模造紙・ペン(3色)・ポストイット、ホワイトボードを用意し以下の手順でカスタマージャーニ-マップを埋めていきます。

模造紙の横軸に「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」「再購入」の5つを区切ります。

縦軸には、「行動」「プラスの感情」「マイナスの感情」「マーケティング施策」の4つに区切ります。

  1. 行動/プラスの感情/マイナスの感情をポストイットに書きだす。(5分程度)
  2. 全体共有し、同じものはまとめる。
  3. なぜそう思ったのかプチディスカッション(5-10分程度)
  4. 書き出したものを模造紙に貼る。
  5. 現在行っているマーケティング施策を模造紙に書く。

この5ステップを5回繰り返します。

カスタマージャーニ-マップとペルソナまとめ

今回の記事では、マーケティングで成果を出すためには欠かせない、顧客の行動や思考を図式化したカスタマージャーニーマップのペルソナに焦点を当てて紹介してきました。

現在は顧客のニーズが複雑化・多様化しているので、より詳細なペルソナを設定し具体的なターゲットを選定することが重要です。

そして、そのペルソナを意識することで顧客にとっても企業にとってもメリットをもたらします。

ペルソナの作成は簡単ではありませんが、貴重な資産にもなります。

簡易版でもいいので1度作成してみてはどうでしょうか。

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