CDPとDNPの違い

CDPとDMPの違いとは?仕組みを理解しマーケティングに活用

2020-09-28 17:00

CDP

顧客データはマーケティング施策をする上で欠かせません。

その顧客データを収集・管理するツールに「CDP(カスタマーデータプラットフォーム)」と「DMP(データマネジメントプラットフォーム)」があります。

どちらも顧客管理データのプラットフォームという点では同様ですが、管理するデータの内容や活用方法が異なります。

またこれらの違いを理解した上で活用することが、マーケティング施策を成功させる上で重要なポイントです。

今回はCDPとDMPについて、それぞれの仕組みや違いについてご紹介いたします。

顧客データの管理に課題を感じている企業、顧客データ管理ツールの導入を検討している企業は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のポイント!

  • CDPは顧客単位の情報を管理するプラットフォーム
  • DMPは顧客の属性や嗜好に合わせてセグメント化した情報を管理するプラットフォーム
  • CDPとDMPは管理する顧客データの粒度やデータの活用方法が異なる

CDPとは?3つの機能

CDPプラットフォーム

CDPとは「Customer Data Platform」の略称で、和訳は「顧客情報基盤」です。

CDPは顧客の属性や行動といったデータを収集・集約して蓄積し、利活用しやすくするシステム基盤を意味します。

まずはCDPを理解するために重要となる、3つの機能をご紹介いたします。

①データの収集

CDPの1つ目の機能は、顧客の行動履歴や購買情報を収集すること。

具体的にはオンラインショップへ流入したユーザーの属性・嗜好・Web上の行動履歴等を収集します。

そして商品の関心度や今後のアプローチ方法へ活かすためのデータを蓄積します。

つまり顧客となりうるユーザー、あるいは顧客の一次情報を収集しています。

マーケティング施策を実行する際、その判断基準となるのがCDPで収集したデータです。

このデータ収集が適切に行えているかどうかが、マーケティング施策を成功させる第一歩。

②データの統合

2つ目の機能は収集したデータを顧客IDに紐づけ、顧客一人ひとりのデータに統合すること。

顧客ごとの細かいデータを把握することで、顧客の属性やニーズをより的確に把握できます。

またそうすることで、それぞれの顧客に合わせた効果的なアプローチが可能です。

③収集・統合したデータの分析

3つ目の機能は、商品・サービスに関心を持っている顧客の詳細なデータを分析すること。

CDPで収集・統合したデータには、主に以下のような内容が顧客IDと紐づけられています。

  • 顧客番号
  • 年齢
  • 生年月日
  • 住所(地域)
  • 購買履歴
  • サイト閲覧履歴
  • アンケート回答など

CDPは個人データを収集して統合しているため、より個人にフォーカスした分析が可能になります。

そうすることで、顧客一人ひとりにアプローチするための施策に活用可能です。

その他、マーケティング施策実施後に、特定セグメントの顧客エンゲージメントがどの様に向上しているか等のセグメント分析にも利用可能です。

DMPとは?オープンDMPとプライベートDMPの役割

DMPとは

DMPとは「Data Management Platform」の略で、デジタルマーケティングに活用するための巨大な情報プラットフォームのこと。

主にそれぞれの顧客に対して、効果的な広告を最適化して配信するDSP(Demand Side Platform)広告で活用されています。

またDSP広告とは、DSPを通じて配信されるディスプレイ広告のことです。

DMPで収集・統合した顧客データを、DSPに引き渡すことで広告が最適化されて配信される仕組み。

またDMPには「オープンDMP」と「プライベートDMP」の2種類が存在しますので、ここではそれぞれのDMPについてご紹介していきます。

オープンDMPとは

オープンDMPは、自社と直接的に関係のない他社が運営している複数のサイト郡の閲覧情報(クッキー情報)を収集・管理します。

別名「パブリックDMP」とも言われています。

実際に多くのユーザーはGoogleやYahoo!のような外部サイトを用いて、各サイトを回遊しWeb上で行動しています。

そのため自社とは直接的に関係ない場所でのユーザーの行動履歴などを収集管理することで、より正確な顧客の属性や興味関心がわかります。

そしてユーザーのWeb上の網羅的な興味関心・行動情報により、より最適化されたマーケティングを実施できる仕組みです。

プライベートDMPとは

プライベートDMPは、商品やサービスを提供している企業(自社)と直接的に関係のある場所で収集した顧客データを収集・管理する仕組みです。

また管理するデータは、企業のWebサイトのアクセスデータ、会員情報、営業がもつ顧客リストや実店舗などのPOSデータから収集したデータ等があります。

つまり企業が直接手に入れたデータを自社で統合し、管理・分析するのがプライベートDMPの役割。

自社が収集したデータを格納する点及び、オンラインだけでなくオフラインの情報も収集する点がオープンDMPとの違いです。

プライベートDMPとCDPはほぼ同義と理解して問題ありません。

CDPとDMPの違いとは?

CDPとDMPの違い

CDPとDMPは、顧客データを収集して管理するという点では同じ仕組みです。

ではCDPとDMPには具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは3つの観点からCDPとDMPの違いについてお伝えしていきます。

収集できるデータの中身

1つ目の違いは、収集できるデータの中身。

CDPは顧客の個人情報にあたる細かい情報まで、IDに紐付けて収集し管理まで行います。

その一方で、DMPは匿名の顧客データが属性単位で収集・管理されています。

よって密な情報を収集して管理・分析できるのがCDPです。

また属性と興味関心が類似したセグメントごとに、収集した情報を管理、そして分析できるがDMP。

そのため顧客一人ひとりに最適なアプローチをする場合にはCDP。

広く浅くアプローチしたい場合にはDMPの活用が最適といえます。

さらに収集するデータの精度が良いのはCDP。

そして収集するデータのボリュームが大きいのはDMPといえます。

顧客データの収集場所

2つ目の違いは、顧客データの収集場所。

CDPは顧客の個人情報も管理するため、外部から入手するのは不可能です。

そのため自社のWebサイト上や会員登録情報など、自社ルートのみで収集しています。

このように直接的に収集したものを「1st party データ」といいます。

一方DMPは自社ルートでは把握しきれない情報を収集します。

つまり自社以外の不特定多数の外部機関から提供された「3rd party データ」を収集しています。

一般的にWebサイトを利用するユーザー(ブラウザ)には任意で「cookie」が付与されます。

このcookieはユーザー(ブラウザ)のデータを保存する役割をもち、付与されたユーザー(ブラウザ)が閲覧したサイトコンテンツを追える仕組みです。

つまり企業(主にユーザが多く集まるサイトを持っている企業)がDMP用のcookieの仕組みを導入している場合、新規のユーザー(ブラウザ)がその企業のwebサイトに訪れた際にcookieが付与されます。

これによりユーザー(ブラウザ)のサイト上の動きがDMP側に蓄積されます。なお、DMPでは個人と結びつくユーザID等の情報は利用しません。

そして数々の企業サイトから集められたユーザの情報はDMPに集積され、どのような属性のユーザー(ブラウザ)がどの商品カテゴリやサービスカテゴリに関心を持っているのかといった傾向をグルーピングできます。

その結果を利用して、DMPは広告配信等をおこないます。

データの活用方法

3つ目の違いは、データの活用方法。

顧客の会員情報やWebサイト内での行動履歴がわかるCDPは、顧客個人にアプローチしやすいデータの管理をしています。

そのため顧客個人に向けてデータを活用し、パーソナライズ化したマーケティングが可能です。

つまり既存顧客に対して密な関係を構築するために用いるものです。

実際に企業が継続的に利益を得るためのマーケティング施策には欠かせないデータといえます。

それに対してセグメント化された大量の顧客データを管理するDMPは、主に広告配信にデータを活用しています。

DMPで蓄積したデータを元に配信先をセグメントし、それぞれに最適化された広告を自動的に配信できます。

またデータ母数のボリュームが大きいため、ターゲットとなるユーザーに対して多くの広告が配信できます。

そのためDMPは新規顧客開拓のデジタルマーケティング施策には欠かせない存在です。

CDPとDMPを活用しデータドリブンなマーケティングを

データドリブンなマーケティング

CDPとDMPは全く異なるものではなく、顧客データを収集・管理・分析してマーケティングに活かすという面では似たプラットフォームです。

もともとはマーケティングにおいてはDMPが主流でしたが、比較的最近になりCDPが登場。

これにより顧客とより密な関係を築き、顧客に合わせた細かいマーケティング施策が可能になりました。

そのためCDPやDMPを利用しようと考えている担当者は上述のCDPとDMPの役割や違い理解する必要があります。

そして現代の企業のマーケティング活動において重要なのは2点。

1つ目が自社の抱えるマーケティングの課題を明確にすること。

2つ目がPDCAを回していくことです。

具体的には、自社のマーケティング課題が「自社顧客の理解」であればCDPを導入すべきです。

自社顧客の理解を通しで、有効なマーケティング施策や営業施策を考えるためには、自社顧客の情報を統合的に保持するデータベースつまりCDPが必須となります。

多くの企業では、顧客の購買データは購買システムにあり、webアクセスデータはweb計測ツールにあり、メルマガ反応データはメルマガツールにあり、アンケートデータはアンケートシステムにあるといった状況で、データはツール間で分散しています。

これでは、自社の顧客理解をすすめることは出来ません。

顧客理解を通してその上で有効な広告施策を実施する。その際にDMPを利用するというのがいいでしょう。

マーケティング施策を実施する上でも営業施策を実施する上でも一度だけ施策を実施すると言うことは無いと思います。

これら施策は繰り返し実施して施策制度や効果を上げて行くべきです。そのためにもPDCAはとても重要です。

PDCAを円滑に行うためにもCDPに格納されたデータの可視化や分析は重要です。

なお、2022年中頃までに個人情報保護法が施行されます。

CDPの利用もDMPの利用も法令準拠した利用が今後重要になってきます。

CDPの活用法

サードパーティデータに頼らない、顧客情報基盤(CDP)の活用法

1st party data、0 party dataの活用が重要になってきます。本記事では、3rd party dataの頼らないCDP(顧客情報基盤)の活用について説明します。

CDPとDMPの違いを押さえて効果的に活用しよう

今回はCDPとDMPの違いやそれぞれの仕組みについてお伝えいたしました。

顧客データを管理するプラットフォームという点では、CDPもDMPも同様です。

しかしそれぞれの役割やデータの活用方法は異なります。

そのため目的に合わせて使い分けることが、効果的なマーケティングを成功させるポイントです。

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