営業において近年重要視されているデータに基づいた判断や行動です。
この流れに伴いデータドリブンの重要性も増してきていますが、皆さんの企業では活用が進んでいるでしょうか。
また、 営業担当者は営業活動において何を基準にして判断・行動しているでしょうか。
多くの営業担当者は売り上げデータをはじめとする定量的データのみを活用していることが多いかもしれません。
しかし、データドリブンを効果的に活用することで、定性的なデータを含む様々なデータを有効活用することができ営業の効率化を期待できます。
それによって、営業担当者は期待通りの、また期待値を超える成果を残すことができるでしょう。
実際、全ての見込み客がクライアントになる訳ではありませんので、いかに成約率の高いクライアントを発見し成約に繋げるかが営業を行う際のポイントになります。
ここでは、営業において有用的なデータドリブンの概要や種類、重要視される背景、活用方法についてご紹介していきます。
営業におけるデータドリブンとは

データドリブンとはマーケティングデータや売り上げデータ、ウェブ解析データといったビジネスにおける多種多様なデータに基づいた判断を行い、実際にアクションを起こすことを意味します。
またこれは営業における判断・行動基準として機能し、データ主導・駆動とも呼ばれています。
言い換えると、過去の営業経験・体験によって得られたデータを以降の営業活動に生かすことと言えます。
さらに、近年はAIやビッグデータをはじめとするテクノロジーの台頭によって、既存の様々な概念が変化していますが、そのような変わりゆく現代の中で効果を期待されている営業手法とも言えます。
営業には見える化が重要視されることが頻繁にありますが、皆さんの企業や営業においてそれらの見える化を実現できているでしょうか。
様々なデータを見える化することができれば、見える化できていない場合と比べ、営業成績が格段に向上することが期待できます。
というのも、過去のデータから良いデータや営業はさらにブラッシュアップさせ、悪い事例に関しては改善することができるようになるからです。
営業におけるデータドリブンは2種類ある
データドリブンはデータに基づく営業手法を意味していますが、一括りにデータドリブンと言っても、2種類に分けることができます。
- 定量的なデータ
- 定性的なデータ
以上の2種類になります。
ビジネスシーンでは定量・定性という言葉頻繁に活用されており、定量とは数値で表すことができるデータ、一方で定性は数字では表すことのできないデータのことを指しています。
データドリブンにおける定量的なデータ
まず、数値化できる定量的なデータ。
これは営業の場では実際の営業成績や売上というようなデータのことを指します。
例えば
- 営業マンAさんの売上が先月に比べ100万円伸びた。
- 見込み客Aさんとの契約は3日後に行う。
というような具合です。
営業は特に定量的なデータを見える化しやすい業務の1つであり、営業を行う上では、こちらの定量的なデータを目にすることが多いでしょう。
それによって、判断基準を設けることができるようになっています。
過去の営業におけるデータを活用することで、見込み客のターゲッティングやモチベーションの維持・向上といったように、表面的な判断・行動基準に用いることが可能になります。
表面的というのは、ポジティブな意味合いであり、営業において表面的な、つまり、定量的な数値を追うことは非常に重要になります。
先述した営業が見える化されやすいというのは、営業は定量化しやすく、言い換えればシビアな世界とも言えるでしょう。
そのため、営業自体にネガティブなイメージを持つ方も多い傾向にありますが、定量的データに基づき判断・行動することができれば、その分効果を実感しやすい業務とも言えます。
また、営業は企業における最重要業務の1つであり、営業無くしては企業の存続なしといっても過言ではないでしょう。
そのため、営業において定量的なデータを加味することは重要といえます。
データドリブンにおける定性的なデータ
次に数値化できない定性的なデータについてです。
これは見込み客のバックグラウンドや趣味、企業との関係性などに該当する事例的なデータと言えます。
先ほどの定量的なデータでは実際に数字を加味するのに対して、こちらでは
- 競合の営業マンAさんは営業社内で上位の成績を取っている。
- 見込み客Aとの契約を取るにはもうしばらく期間が必要だ。
といった抽象的なデータになります。
営業において定量的なデータは以前から活用されることが多い傾向にありましたが、定性的なデータは活用が難しく、そもそも認識・加味していないという営業担当者もいらっしゃるかもしれません。
しかし、定量・定性、どちらも営業には重要なデータです。そこで、データドリブンの概念を用いて見える化することで、本質的に営業に有用的な定性的なデータを活用することができるのです。
実際、定性的なデータは見える化しておらず、その効果を実感していない方も多い一方で、それだけポテンシャルのあるデータとも言えるのです。
というのも、定性的なデータを見える化することで、顧客行動の見える化を実現するからです。
営業にデータドリブンが必要な背景

定量・定性的なデータの活用を可能にするデータドリブンですが、そもそもこのような営業手法が重要視されるようになったのは近年の時代背景が大きく関わってきています。
それには3つの要因が考えられています。
- 顧客行動の多様化
- AIやビッグデータの台頭
- 顧客と企業のマッチポイントの多様化
以上の3つになります。
顧客行動の多様化
特に近年は顧客行動が多様化していると言われて久しく、商品やサービスを作るだけでは企業の売り上げ、営業成績には繋がらないという現象が起きています。
これは、消費者はスマートフォンやパソコン、タブレットをはじめとする媒体を日常的に活用し商品やサービスの情報を見ることができるようになったという背景があります。
つまり、現代の消費者は以前にも増して、数ある商品やサービスの中から、自らの意思で選ぶことができるようになっているということでもあります。
また、これによって顧客行動をデータドリブンによって見える化することが重要視されています。
AIやビッグデータの台頭
近年のAIやビッグデータをはじめとするテクノロジーの台頭は目覚ましく、多くの企業で注目されすでに活用が進んでいます。
これらをはじめとするテクノロジーを活用して効果的な営業成果を出すためにもテクノロジーの活用は欠かせません。
そこで、重要になってくるのがROI。これは投資利益率のことを意味していますが、企業において限りある資金を効果的に投資しリターンを考えることは重要なポイントです。
このROIを軸に営業を考えてみると、どれだけの営業担当者を配置させ売り上げを伸ばすのか。ということが営業におけるROIとも言えるでしょう。
費用対効果の高い営業を行う際にもデータドリブンの概念を加味してデータを活用する必要があるのです。
顧客と企業のマッチポイントの多様化
顧客行動やテクノロジーの台頭によって消費者と企業のマッチポイントも多様化しています。
以前であれば主なマッチポイントは店頭や訪問営業だったでしょう。しかし、それらはもちろんホームページやSNSをはじめとするウェブ媒体によるマッチポイントが多くなっています。
他にもメールマガジンや他のメディアといったオンラン上からマッチすることもあるでしょう。
また、セミナーやカタログといったオフラインも加味する必要も出てきます。
このように顧客と企業のマッチポイントが多様化していることもあって、それを見える化するデータドリブンの必要性が増しているという背景があるのです。
データドリブンを営業に活用する方法

営業における有用性が期待できるデータドリブンを活用するためには、2つの方法が考えられます。
- 経営やマネジメント層の認知
- ツールの活用
以上の2つです。
経営やマネジメント層の認知
そもそも、現場の営業マンの意思でデータドリブンを活用することは難しいでしょう。
というのも、現場レベルの社員にはそのような権限が認められていないことが多いからです。
そのため、活用を進めることができるようにするためには、経営者をはじめとするマネジメント層がデータドリブンの有用性を認識し導入するよる必要があります。
実際、データを収集して、それを活用していくデータドリブンですので導入して即時性があるとは言い切れません。
そのためマネジメント層が比較的長い目で営業におけるデータドリブンの重要性を認識する必要があるのです。
ツールの活用
マネジメント層がデータドリブンの有用性を認識し導入を検討することができたら、その後はツールを活用していく必要があります。
顧客関係管理を行うCRMや営業を支援するSFAをいったツールを活用している企業は増えてきていますので、まずはこれらの導入を行うところからスタートすることをおすすめします。
まとめ
ここでは、営業において近年注目されているデータに基づいた判断や行動を意味するデータドリブンについてご紹介してきました。
データドリブンを活用すると様々なデータを見える化することができるので営業の活性化を期待できます。
顧客行動の多様化やAIやビッグデータの台頭、顧客と企業のマッチポイントの多様化といったような時代背景があり、今後さらにデータドリブンの重要性は増していくことが予想されています。
その中で、企業が活用するためには経営やマネジメント層の認知やツールの活用が必要になってきますので、ここでお伝えしたことを意識し、活用を検討してください。